台湾備忘録

日本統治時代に関係のある場所や聞いたこと,大学関連のことをシェアしています。

日本統治時代に日台を繋いだパイナップル缶詰工場 ㏌高雄

台湾唯一 現存する日本統治時代のパイナップル缶詰工場

台湾のパイナップルは最近話題ですが、旬はこれからということで、今回は高雄にある日本統治時代に日台を繋いだパイナップル缶詰工場についてシェアしたいと思います。

 

日本統治時代に日台を繋いだパイナップル缶詰工場は屏東県よりの高雄市にあります。

日本統治時代の台湾でのパイナップル缶詰産業は、ハワイ・シンガポールについで世界三位の輸出を誇るのだとか!

しかも戦後は台湾のパイナップル缶詰の生産量が世界一位だったんです。

 

それでは、簡単にこのパイナップル缶詰工場の歴史を紹介します。

 

パイナップル缶詰工場の歴史

パイナップル缶詰工場の歴史の始まりは日本統治時代に遡ります。

パイナップルの主要産地は南部の鳳山・大樹一帯と中部の彰化・員林一帯であったため、パイナップル缶詰の生産もこの二つの地域から始まりました。大樹地域は地理環境と気候がパイナップルの栽培に適するため、主な生産地になりました。

また、九曲堂駅は縦貫線鉄道に位置し、かつては運送の便宜性のため、付近に11カ所のパイナップル缶詰工場が存在していました。しかし、日本統治時代のパイナップル缶詰産業の建築物として現存するのは1925年に設立された泰芳商会の第三・四工場、三棟のみとなりました。この泰芳商会は台北及びパイナップルの産地に工場を6箇所設置したそうです。

ちなみに、パイナップル缶詰工場の黄金期(1922年~1930年)には泰芳商会を含む81カ所もの工場があった時期もあるそうです。

 

泰芳商会は台北大稻埕出身の商人・葉金塗によって1918年に設立されました。

葉金塗は、1901年に総督府の提唱により日本人・岡村庄太郎が始めたパイナップル缶詰産業を継承した台湾商人の一人です。パイナップル缶詰産業によって富を得たため、「鳳梨大王(パイナップル王)」と呼ばれていました。台北にある葉邸は今もまだ残っています。

先日行ってきたのでまたブログを書きますね。

追記:2022年9月19日に更新しました。こちらも是非ご覧ください。

mimi-intw.hatenablog.com

 

パイナップル缶詰工場の展示館を見学

展示館を入るとすぐ、缶詰工場の年表や当時の缶詰を見ることができます。

メインは「鳳梨産業展示館」。まず目に入るのは、この歴代の缶詰のラベル。

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日本統治時代のラベルには PACKED IN FORMOSA.JAPAN. と書いてありました。

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真ん中のところに“PACKED IN FORMOSA.JAPAN.”と書いてあります

 

どのラベルも全部かわいくて、コレクションしたくなってしまうくらい(笑)

ここではさらに細かいパイナップル缶詰の歴史を知ることができますし、缶詰づくりの体験もできるらしいです。

 

個人的に驚いたのはこの展示館のスタッフさんがこの歴史の研究者かなと思ったほど、とーってもパイナップル缶詰工場の歴史に詳しいんです!パイナップル缶詰工場の歴史愛が感じられました。

スタッフさんは日本語を話せないので中国語での解説になってしまいますが、わかりやすい中国語を使ってくれるのでぜひ聞いてみてください☻

日本語のパンフレットはありました!

 

そして、私のおすすめは鳳梨産業展示館の隣にあるカフェ。ここではパイナップルケーキやパイナップルジュースなどを楽しめます。

このカフェの内観もおしゃれで私がお気に入りなのはこのポスターです。この女の子が写っているポスターに心惹かれました(笑)

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アクセス

台湾鉄道・九曲堂駅で下車、駅前出口を出て右折、復興街を約100m直進

赤いレンガの建物です。

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駐車場もあるようなので車でも行けるそうですよ

参観時間  火曜日から金曜日 12:00~17:30

休日及び祝日   10:30~18:30

休館日  月曜日